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退院 即 保護廃止をゆるさない!

2000.12.28・・・・・・

ボランティア団体「釜ケ崎医療連絡会議」が次のような内容のビラを、あいりん地区で配布していた。




  野宿から入院して生活保護を受けていた釜ケ崎労働者、山本恭正さん(当時48歳)が、98年秋軽快退院と同時に 保護を廃止した市更相 (作者注・市立更正相談所のこと) の違法行為と、 市更相職員の暴言や変更申請の取り下げ強行行為などに対し、国家賠償を求めて、裁判を起こしています。
 山本さんは保護廃止処分に対し、大阪府知事に不服申し立てを行い、99年2月17日づけで「保護廃止処分を取り消す」 という裁決が、すでに出ています。大阪府知事は、保護を廃止するには、厚生省社会・援護局保護課長通知によって 示された取り扱い基準に基づいて、

「収入の増加などによって、最低でも6ケ月間は保護を必要としない状態がつづくことが 、市更相などの保護の実施機関によって調査・確認されなければ、保護は打ち切られない」

という判断を示しました。

日雇労働者はなぜ、就労の可能性だけで、保護を廃止されなければならないのか?!

  ところが、被告である大阪市・国はこれまでの裁判で、釜ケ崎の日雇い労働者に対して保護をおこなった場合、保護を 廃止するときには、通知の「保護を必要としなくなったとき」の取り扱い基準を適用しないと主張しています。 釜ケ崎では日々雇用の就労の可能性があり、山本さんが真剣に仕事を探していたら仕事につけたから、保護を廃止したというのです。 また、市更相では、保護の必要な人には、すぐに保護しているので、保護を廃止してもかまわないのだと、現実とはおよそかけ離れたことを言って、 自分たちの言い分を正当化しようとしています。
  日々雇用の可能性というのは、言いかえれば、日々失業の可能性ということ。そして、失業は野宿に直結しています。 日雇労働者だけが、通知の取り扱い基準を適用されず、病気がよくなりかけて退院したとたんに保護を廃止され、 野宿の危険性にさらされなければならないというのは、生活保護法2条「無差別平等」、憲法14条「法の下の平等」 に反する理不尽な差別以外のなにものでもなく、到底許されることではありません。


  山本国賠裁判において、被告である大阪市・国は市更相の業務について、市更相は生活情況が不安定で、急迫情況におちいりやすい釜ケ崎単身労働者に、 場合によっては「詳細な調査を経ずとも、直ちに保護を開始している」し、ケアセンターなど生活保護以外の施設への入所なども幅広く行っているから、 「少なくとも更正相談所管内の住居を有しない者については、保護の必要な者が十分な保護を受けられない状況に陥る心配はない」 と書いた書面を裁判所に出してきました。

野宿は急迫状況、市更相に直ちに保護を開始させよう!

  南港臨泊(作者注・大阪府と市が毎年大阪南港に設ける臨時の宿泊施設。食事付。入所するには市更相で配られる整理券が必要。昨年は12月29日から1月7日までで、約2700人が利用。 今年は29日〜1月9日の早朝までで、定員は3千人。一日3食出て、仕切りのない2段ベッドを利用、飲酒は不可。持ち込める荷物は手で運べるだけ。整理券配布は 29日午前4時からで、午前8時半から午後1時半の間に市更相にて入居受付) がおわったら、野宿にもどるしか仲間たち。市更相の違法行為をごまかすためとはいえ、大阪市・国がせっかくこう言っているのだから、野宿を余儀なくされている仲間は、どんどん市更相に行って、生活保護の申請をし、直ちに保護を開始してもらおう!!






  いかがであろう。上記文章はビラをそのまま転載したものなのでちょっとわかり辛いかもしれないが、要約すれば

大阪府知事が 厚生省通達  に基づいて保護を打ち切られた釜ケ崎労働者・山本さんに対して「生活保護の廃止処分を取り消す」という裁決をしたにもかかわらず、 生活保護適用に関する決定権を有する大阪市は 「日雇い労働者には厚生省通達を適用しない、市更相は保護打ち切りの際に調査確認をする必要はない、その理由は日雇労働者は今日は仕事がなくても明日は仕事があるから・・・・本当に保護を必要としている人は直ちに保護しているので、どこにも問題もない

といった感じだろうか。この大阪市の理論からすると、失業保険なんてものは不要となる。会社をクビになっても、次の就職先が見つかるまで日雇労働をすればいい。 ハローワークで仕事が見つからない人にも「山谷、寿町、西成に行って日雇労働者になりなさい」とアドバイスしたらどうだろう。 大阪市によれば、「どんなに世間が不況であっても真面目に探せば必ず仕事にありつける」のだから。 いっそのこと日本中の失業者全員に日雇労働者宣言をさせたらどうだろう? そうすれば全員が「今日はたまたま仕事がなかった」労働者になり、「でも明日は仕事があるかもしれない」から失業者とはみなされないので失業率は一気に0となる。


  なお山本国家賠償裁判は現在進行中で、先日(2000年12月27日)大阪地裁において第6回目・原告側による再反論が行われた。かなり長引きそうな気配である。





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