大阪市がどのような態度で道路を違法占拠する野宿生活に対処しているかは 「お知らせ」という名の強制排除・・・編 でご覧いただいた。
あの1例だけを取り上げて大阪市の野宿生活者対策すべてを語ることはできないが、今回は大阪市が「人権」というものをどのようにとらえているかを考えてみたい。
繰り返しになるが、歩道や公園といった公共の場所を占拠することは違法である。そういった行為はしかるべき法のもとに即座に取り締まる
べきである。その観点からすれば、たとえ大阪市の担当者(部署)が野宿者のテントや小屋を排除したとしても誰も文句は言えない。
規則に定められた手続きさえふめば、それがたとえ非人道的な行為であっても誰にも止めることはできない。それが法治国家というものだ。
Webmasterはそれを承知で、「排除されたら野宿者には行き先がない。お願いだからある程度は見逃してくれ!」と頼んでいるのである。
その無理なお願いを聞くも聞かないも市の勝手である。勝手ではあるのだが、もし「そんなお願いは受け入れられない。法に則って、彼らを排除する」というのであれば別のお願いをするしかない。いや、
お願いというより質問である。
「大阪市の考えでは、人間の存在価値はゴミ以下なのですか?人間は強制排除出来ても、ゴミは強制撤去できないのですか?」
あいりん地区の一角。まぎれもない公道上である。粗大ゴミ捨て場ではない。
この車には11月1日付で
「近日中に撤去してください。撤去しない場合は、不要物として処分します」
とした勧告書が貼られているが、
11月28日の時点では撤去されていない。
28日にやっと動きがあった・・・・・と思いきや、通常のゴミ回収でした。周りのダンボールやゴミ袋だけが回収されていった。
こちらはもっと酷い。バス通りに半年以上も堂々と放置されている。
撤去勧告の最終期限は2000年の9月4日。3ケ月近くたった今でも何の動きも見られない。
しかも放置されているのは喫茶店の真正面。店の人は何をしているのだろう。それとも店の車か? 言うまでもないが、ナンバープレートはついていない。
放置されている車はこれだけではない。30分ほど西成区及びその周辺を回ってみたが、すくなくとも10台以上の放置車を発見した。
基本的には捨てられた車である。大半の車に期限切れの「撤去勧告」が貼られているか、貼られた形跡が確認できた。 つまり、その存在は確認されているということである。
車を撤去する場合は、確かに手続きが難しい。ほとんどの放置車にはナンバープレートがついていないから、所有者を見つけ出すだけで一苦労である。 所有者に確認を取らないまま撤去・処分してしまったら、「あの車は盗まれたものだ。必死に探していたのに、どうしてくれる」と所有者がひょっこり現れた場合大問題になりかねない。 そんなことは百も承知だ。
稀にプレートが付いたままで放置されている車もあるが、所有権の問題とか廃車のための手続きとか、いろいろ面倒な問題があるに違いない。
いざ撤去するとなるとお金もかかる。クレーン車を用意しなければならないし、運搬用のトラックも必要になる。
だからといって撤去が不可能な訳ではない。このスカイラインは今回の調査の中で、唯一見つけた撤去手続きがすすめられている放置車である。
リア・ウインドウには
「この自動車は、現在、大阪市と警察署で、処分の法手続きをおこなっておりますので、ここに告知します。平成12年10月5日。大阪市長、大阪府西成警察署長」
とした告知文が貼られている。
「なんだ、市の担当者もやる時はビシッとやってるじゃないの」・・・・・といきたいところだが、ちょっと待って欲しい。
このスカイラインが放置されているのはご覧の通り、周囲をガードレールで完全に包囲された場所である。 他の場所の放置車に比べ、特別な危険性や差し迫った緊急性は感じられない。特別扱いされる物理的要因は見当たらない。
なのに11月28日にこの場所に行ってみると、きれいに撤去されていた。告知文から2ケ月とたっていない。 なぜ、この放置車だけが迅速に処理されたのだろう?不思議でたまらない。
ちなみにこの場所は将来、道路拡張をするために市が先行取得した土地。 その証拠にこの場所の南側に写真左のような看板を掲げた空き地が数箇所連なっている。
おまけに市の施設の真正面でもある。
繰り返す。放置車があったのは緑の矢印のところ。どう考えても手前の駐車違反の方が歩行者や自転車にとって危険である。 前述の、バス通りに長期間放置された軽ワゴンの方が明らかに交通事故につながりやすい。 これらを差し置いてまでこのスカイラインの撤去を急ぐ必要があるのだろうか?
いかがであろう。ほんの数例しか紹介できなかったが、どう考えても不自然な事ばかりである。何を優先順位にして仕事をしているのだろう。
これでは「市のやっていることはいい加減だ」といわれても文句が言えないのではないか?
「そんなことはない。出来る範囲で、やれるだけのことはやっている」
「法的手続きが簡単なものもあれば難しいものもある。数ケ月で処理できるものもあれば、数年かかるものもある」
「やりたいのはやまやまだが、お金がない」
そんな反論が予想されるが、だったら次の2例はどう説明するのか?
どちらも西成区内である。明らかに公道上の違法な占拠物なのだが、撤去勧告は出されていない。
いや、Webmasterの知らない時に出されているのかもしれないが、どちらも数年前からまったく変化はない。
道路、歩道上で中古車を展示販売している。ここに写っている車全てが売りモノである。ナンバーのあるモノもあれば、ないモノもある。営業している間だけでなく、24時間この状態。
おまけに高速道路の入り口から50メートルしか離れていない。違法占拠のおかげで車線がひとつ死んでいる。どう考えても危険である。これなんか撤去勧告を貼れば済む話ではないのか? 「そんなことをしたら営業できなくなる」として黙認しているのか?だったらすべてのホームレスも黙認して欲しい。営業権と生存権、どちらが大切かは言うまでもない。
ある家の前。車線の半分を占拠している。決して車が通らないような場所ではない。
中にあるものは植木の類。まさしく「箱庭」である。これを撤去したところで持ち主に大した被害はない。「せっかく育てた植木を・・・・」として 寝込むかもしれないが、死ぬわけではない。テントを撤去されて行き場を失った野宿者は、おそらく死ぬ。 野宿者と箱庭、どちらを優先して守るべきかは明白である。
この2つの場合、お金はかからない。人手も大してかからない。「撤去勧告」を貼るだけでいい。期限を過ぎても撤去されなければ、行政代執行
すれば済む話。かかった費用は所有者に請求すればいい。所有者は判っているのだから・・・・。もし「払わない」というのであれば法に
則って「差し押さえ」するだけである。
大阪市の担当者の方へ。人間は法に則って強制排除出来ても、モノは法に則って強制撤去できないのですか?回答をお待ちしております。
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